恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
数段先の階段を下りる都築くん。
その様子を眺めていると、茶色い髪の根元が少しだけ黒い事に気付く。
そういえば、バスケやってたって言ってたっけ。
なんで辞めたんだか知らないけど、髪染めたって事は高校では入るつもりないって事だよね。
まぁ、もう2年だし、今から始めるのも大変そうだけど。
っていうか。
都築くんって、どんな人なんだろ。
本宮先輩は気に入ってるみたいだし……、ちょっと気になるかも。
そんな事を思いながら、ただ誘われるように都築くんの後を歩いていた時。
ぴたっと立ち止まった都築くんが、あたしを振り向いた。
「どこまで着いてくんの?」
「は?」
意味が分からなくて周りを見渡す。
……と、とっくに靴を履き替えて玄関を出ていた事に気付く。
そして、今いる場所といえば。