恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
ニヤけた顔を両手で覆いながら机に突っ伏す。
今までこんなに大事に扱われた事なかったから、都築くんの仕草とか言葉とかが、ダイレクトに胸をきゅーんとさせる。
ちょっとした気遣いとかがすごく優しくて、本当に大切にされてるってその度に実感しちゃって。どうしていいのか分からないくらい、幸せな気分に……、
「……村! 沢村っ!」
「え……、あ、はい!?」
夢心地になっていたところを大声で呼ばれて、慌てて立ち上がった瞬間。
隣まできていた科学の先生に、持っていた教科書でポコンと頭を叩かれた。
「生徒会で忙しいのも分かるが、授業中に居眠りが許されるわけじゃないからな」
「……はい」
寝てたわけじゃないけど。
幸せすぎて困ってました、なんて言えないから素直に頷く。
「罰として、昼休み科学室にきなさい。
ちょうど来週使う実験道具があるから掃除してもらう。いいな」
「……はい」
もう一度ポコンと叩かれて、2時間目が終わった。