恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*


ニヤけた顔を両手で覆いながら机に突っ伏す。


今までこんなに大事に扱われた事なかったから、都築くんの仕草とか言葉とかが、ダイレクトに胸をきゅーんとさせる。

ちょっとした気遣いとかがすごく優しくて、本当に大切にされてるってその度に実感しちゃって。どうしていいのか分からないくらい、幸せな気分に……、


「……村! 沢村っ!」

「え……、あ、はい!?」


夢心地になっていたところを大声で呼ばれて、慌てて立ち上がった瞬間。

隣まできていた科学の先生に、持っていた教科書でポコンと頭を叩かれた。


「生徒会で忙しいのも分かるが、授業中に居眠りが許されるわけじゃないからな」

「……はい」


寝てたわけじゃないけど。

幸せすぎて困ってました、なんて言えないから素直に頷く。


「罰として、昼休み科学室にきなさい。

ちょうど来週使う実験道具があるから掃除してもらう。いいな」

「……はい」


もう一度ポコンと叩かれて、2時間目が終わった。



< 410 / 448 >

この作品をシェア

pagetop