恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
都築くんが苦笑いしながら言う。
教室ではあんまり笑わない感じなのに……、こんな風に笑う人なんだ。
発見が嬉しくてじっと見ていると、それに気づいた都築くんは、バツが悪そうに目を逸らす。
「都築くん、なんでここに来たの?
っていうか、昼休みも来てたよね? なんで?」
聞くと、都築くんがさっきよりも気まずそうに言葉を渋る。
……なんなんだろう。
人には言えないような秘密の事をここで……?
ちょっと怖いような、ワクワクするような。
そんな気持ちでゴクリと喉を鳴らす。
言いづらそうに顔をしかめる都築くんをじっと見ていると……。
“みゃあー”なんて、か細い鳴き声が聞こえてきて、裏庭の植木の陰から黒い子猫が現れた。
「……猫?」
黒い猫は、トコトコ歩くと、都築くんの足にすり寄る。