恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
「……もしかして、その子に会うために?」
半信半疑で聞くと、都築くんは怒ったような顔であたしを見た。
「会うためじゃねーよ。
昼に残したパンがあったから、やりに来ただけ」
「……」
すっごい怒った顔してるけど……。
照れ隠しにしか見えないし。
隠そうとする都築くんがおかしくて笑いそうになる。
けど、もっと機嫌を損ねちゃマズイから、なんとか我慢して、都築くんの足元に座る子猫の前にしゃがんだ。
「ね、パンあげるんでしょ? ちょっと見ててもいい?」
「……」
「誰にも言わないから」
都築くんは、軽いため息をついてから「好きにすれば」って呟いた。