恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*


「彩香(あやか)に」って言った都築くんが、「研修できた英語の教師」って説明する。


「彩香、最初の授業で本宮がサボってる事に気付いて、すぐに、本宮と俺を殴りにきたんだ。

今思うと、俺は本宮と一緒にいたから殴られたんだけど。

とりあえず、すげームカついたのが第一印象」


懐かしいのか、都築くんが柔らかく笑う。

その横顔をじっと見つめながら、話を聞いた。


「“そんな反抗したいなら、一人前になって自分でお金稼げるようになってからしなさいっ!”とか。

いかにも教師らしい事を、毎日毎日言いに来て。

屋上だとか、裏庭だとか……、

俺たちがサボりに使ってた場所をことごとく潰しにかかってくるから、最後にはこっちが根負けして、面倒になって授業に出るようになったんだけど」

「一生懸命になってくれたんだね……、彩香さん」

「生徒殴るとか、今は問題になりかねないのに。

彩香はそんな事考えずに正面きって俺たちと向かい合ってくれた。結局、5回くらい殴られたし。

ただ……、その行動が真剣さを教えてくれてる気がしたから、だんだん何も言えなくなっていった」


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