恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
都築くんがツラそうに微笑む。
それが、あたしの気持ちに同情してなのか、本宮先輩の気持ちを思ってなのかは分からなかったけど。
都築くんの意味深の微笑みを、オレンジ色の太陽が照らす。
「彩香も、教師って立場を忘れたみたいに本宮の気持ちに応えてた。
見てるこっちが呆れるくらい、仲がよくて幸せそうだった。
―――ふたりの関係が、本宮の父親にバレるまでは」
都築くんの顔から、微笑みが消える。
「彩香が副顧問してるって理由で、本宮と俺はバスケ部に入部した。
俺は2学期からの途中入部だったし、本宮なんか2年の途中からで、すげー中途半端な時期の入部だった。
けど、もともと運動神経はいい方だったし、俺も本宮もレギュラーをとるまで時間はかからなかった」
確かに、去年の体育大会では、本宮先輩大活躍だったのを覚えてる。
女子がすごい騒いでて、ちょっとイラってしたのも。