恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
都築くんは、「多分、裏で金とか回してたんだろうけど」と、小さな声で呟く。
落ち着いてる口調だったけど、怒ってるように聞こえた。
すごく、悲しそうにも聞こえた。
「結局、本宮と彩香はそれっきり。
本宮は自分を責めて……、ボロボロになって、バスケも辞めた」
それを聞いて、こないだの事を思い出す。
バスケの話をした時、先輩は、
『俺はもうバスケできないんだ。
……中3の夏前にケガしてからは、一度もボールに触ってない』
って、そう言ってた。
先輩がバスケをできないのは……、ケガをしたからじゃなかったんだ。
「彩香はなんでだか分かんねーけど、学校を辞めてから一度も連絡してこなかった。
だから余計に、本宮からは連絡しづらいんだろ。
連絡してこないって事が、彩香の気持ちを代弁してるって思ってるんだと思う」