恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
◇本宮を好きな女
┗尚哉SIDE
【尚哉SIDE】
「尚哉、どうしたの?」
学食のイスから立ち上がると、隣に座ってた、同じクラスの津田が聞く。
上目遣いで見上げてくる目には、異常だろってくらい長くて多いまつげと濃いメイク。
「ね、どっか行くの?」
津田が大声で聞いたせいで、周りからの視線が集まって顔をしかめる。
『2年の都築尚哉(つづきなおや)じゃん』
『あ、本宮会長の次に女子人気のあるっていう?』
視線だけじゃなくて、なんか言われてるし。
居心地が悪くなってきた空気。
逃げ出すように歩き出す。
「購買。おまえはついてくんな」
「えー、なんで? っていうか、今学食で食べたばっかでしょ?」
「成長期なんじゃねーの。……つーか、ついてくんな」