恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
「ね?」
鼻をつく香水が気持ち悪く感じて、津田に背中を向けて歩き出す。
「行かねー。今日はパスだって言ってんじゃん」
「え、なんで?!」
後ろを追ってきた津田が隣に並ぶ。
そして、わざとらしく頬を膨らませて俺を見上げた。
「学食、人多いし疲れんだよ。
気が乗らねー」
「じゃあ、いつなら付き合ってくれるの?」
「さぁ」
「なんか、付き合い悪い。前はもっと一緒にいてくれたのにぃ……」
「生徒会なんか入ったから忙しーんだよ、色々と。
文句なら、俺を勝手に生徒会に入れた本宮会長に言え」
「え~……」
ぶつぶつ言ってる津田を見ることなく、階段を上がりきって教室に向う。
自分の席にカバンを置いて教室を見渡すと、いつも通り笑ってる沢村の姿があった。