恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*


※※※


「好きな人の好きな人の事を、あんまり悪く言いたくないんだけど」


そう前置きすると、隣にしゃがんでる都築くんがあたしを見る。


手元には、くるみパン。

今日はあたしが用意したんだけど、くるみをあげてもいいのかって話になって。


都築くんは、結局、くるみをよけながらパンを小さくちぎるハメになった。


「だってそういうのって、なんとなく卑怯に思えるし。

相手の粗(あら)を探す暇があるなら、自分を磨く方が有意義だし」

「つまり、彩香の事、よく思ってないって事だろ」


イライラした気持ちをそのまま声に出していたせいか。

あたしが言いたい事に気付いた都築くんがズバリ言う。


昨日の夕方とはまた姿を変えた裏庭は、爽やかな春って感じの、そよそよした風が吹いてた。



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