恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
◇一途に想って

┗唯SIDE



「唯、本宮先輩から都築くんに乗り換えたってホント?」


子猫に会いに行くようになってから1週間が過ぎた頃。

友達の田中千春に、急にそう聞かれた。


「なんの冗談? それ」

「いや、噂になってるから。

唯と都築くんが、昼休み一緒にいるって」

「あー……なるほどね」

「え、本当なの?」


千春は、クラスで一番仲のいい友達で、性格はあっさりサバサバ。

あたし自身、恋に突っ走ってはいるけど、あんまり乙女チックな性格じゃないから、千春と一緒にいるのはすごく楽。


授業の合間の10分休み。

教室は、賑やかな声で溢れていた。


「本当っていうか……、生徒会の関係でね」


子猫の事は内緒の約束だから、誤魔化す。

千春は、輝かせていた目を歪めて「なんだ、つまんない」って呟いた。



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