恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*

┗尚哉SIDE



【尚哉SIDE】


「では、文化祭では有志を募って発表の場を設ける事にします。

ステージ設置場所はあとから決めるとして。

とりあえず取り掛かるのは、有志募集のポスター作成、校内放送、参加申込み用紙作成って事で」


会議を仕切っているのは、副会長。

本宮は、立ち上がって説明する副会長の隣で、涼しい顔をして資料に目を通していた。


彩香に出逢ってから、よく笑うようになった本宮。

変な仲間とつるんでる時と比べて、顔つきが優しくなったっつーか。


それは、彩香と別れてからも変わらない。


別れた直後は、笑えないくらいに落ち込んでたのに。

ヘタすればもう立ち直れないんじゃないかって思うくらいに。


なのに、いつの間にかまた笑ってた。


本宮が今、何を思って笑うのかは分かんねーけど。


ただ、笑顔を貼り付けてるだけなのか。

それとも、俺が思うよりもずっと、彩香の事を吹っ切れているからなのか。



……他に、理由があるからのか。




< 80 / 448 >

この作品をシェア

pagetop