恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
┗尚哉SIDE
【尚哉SIDE】
「では、文化祭では有志を募って発表の場を設ける事にします。
ステージ設置場所はあとから決めるとして。
とりあえず取り掛かるのは、有志募集のポスター作成、校内放送、参加申込み用紙作成って事で」
会議を仕切っているのは、副会長。
本宮は、立ち上がって説明する副会長の隣で、涼しい顔をして資料に目を通していた。
彩香に出逢ってから、よく笑うようになった本宮。
変な仲間とつるんでる時と比べて、顔つきが優しくなったっつーか。
それは、彩香と別れてからも変わらない。
別れた直後は、笑えないくらいに落ち込んでたのに。
ヘタすればもう立ち直れないんじゃないかって思うくらいに。
なのに、いつの間にかまた笑ってた。
本宮が今、何を思って笑うのかは分かんねーけど。
ただ、笑顔を貼り付けてるだけなのか。
それとも、俺が思うよりもずっと、彩香の事を吹っ切れているからなのか。
……他に、理由があるからのか。