恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
頬杖をつきながら横目をひっかけていると、不意に本宮と目が合う。
途端、隣に座っている沢村がびくっと身体をすくませた。
別に寝てたわけでもねーのに。
不思議に思って見ていると、本宮と目を合わせた沢村は、ニコっとわざとらしい笑顔を作ってから、資料に視線を移す。
どっか無理してるように見える笑顔。
本宮も気付いたのか、しばらく沢村を見ていた。
結局、2年の担当は、ポスター作りに決まった。
しかも、今週中に、とかいう期限つき。
「どうせ会議で遅くなったんだし、今日中に書いちゃわない?」
会議が終わるなりそう言ってきた沢村に頷く。
「どうせ1日じゃ終わんねーだろうけど」
「大丈夫だよ。あたし、ポスターの文字とか書くの得意だから。
絵は時間もないし、去年の有志の写真コピーとかを2,3枚貼っとけばそれなりに見えるって」
意外に要領がよくて感心していると、沢村がカタンと音を立てて席を立つ。