恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
「……なるほどな」
「秘密にしたかった事だったなら、謝るけど」
「いや。……いい。
彩香との事を聞いたから、俺を避けるような態度取ってるなら、それでいい」
意味が分からなくて見ていると、本宮が笑う。
「それを知った事で、俺みたいなダメ男を諦めてくるなら、かえってよかった」
「……でもさっき、俺が沢村に手を出したかもしれないって思った時、イライラしただろ」
「さぁ」
ふっと笑って、本宮が答えを誤魔化した。
数人の女子生徒が、俺達を見てキャッキャ言いながら通り過ぎていく。
そいつらが離れていくのを耳で確認していると、本宮が「1年半前だよ」と話し出す。
何のことだか分からない俺を見て、本宮は「唯と逢ったのが」と付け足した。