恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
「唯が高校に入る前だった。
駅前で、彼氏に殴られてて助けに入った事があったんだけど、その女の子が唯だったんだ」
「……あいつ、ホントに男運ねーな。DV男に二股男って」
呆れて笑いながら言うと、本宮が訂正する。
「それ、同じ男だよ。唯、ひとりとしか付き合った事ないから」
信じられない言葉を言われて、一瞬声が出なかった。
そして、ハっとして聞く。
「同じ男って、DV男と二股男が?」
「そう。彼氏が毎回泣いて謝るから、その度に信じて裏切られてきたらしい。
唯、いい意味にも悪い意味にも一途すぎるから」
「一途にもほどがあるだろ……」
心底呆れて……、つーか、信じられない思いだった。
確かに、騙されやすそうなヤツだとは思ってたけど、まさかそこまで……。