恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
「あとあと面倒になりそうなのは避けてるだけ。
……本宮のを目の当たりにしてるから、本気だとかって怖いだろ。色んな意味で」
「……夢中になりすぎるのとかが?
本宮先輩が、あまりに彩香さんに夢中だったから?」
聞こえてたけど、わざと聞こえなかった振りをした。
本宮が彩香にどれだけ本気だったかは、多分、こないだの話で沢村も気付いてる。
だったら、ここで頷いて傷口をえぐるような事する必要もねーし。
「おまえ、うまいな。不器用そうに見えるのに」
話題を変えるためにそう言うと、沢村はじっと俺を見上げた後、むっとした顔をする。
「不器用そうに見える?」
「いつも元気だから。
そーいうヤツって細かい作業とか苦手そうだろ。
手先とかすげー不器用そう」
「それ、偏見だって」