恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
「まぁ、そうだったんだろうな。
他の教師は、面倒だからって関ろうとしなかったし」
担任でさえ、必要以上に関ってこなかった。
俺たちに関ったってロクな事にならないって分かってたから。
そんな中飛び込んで説教してきたのは、彩香だけだった。
「あたし、こないだ言った事、取り消してもいい?
本宮先輩をキズつけた彩香さんが許せないって言った事」
しばらく黙っていた沢村が、俺を見上げる。
「なんで?」
「あたしは本宮先輩が好きだから、本宮先輩の気持ちばっかり考えちゃうけど……。
彩香さんも本宮先輩が本気で好きだったなら、やっぱりつらかったんだろうなって思って」
「……」
「本宮先輩と都築くんを必死に公正させた彩香さんが、中途半端な気持ちで本宮先輩と付き合うハズないもん。
彩香さんも、きっとツラかったんだよ」
沢村が目を逸らす。
そして、そのままポスターに視線を落とした。