恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
「だって……、分からなくなっちゃって。
先輩は彩香さんの事、好きなんだよ?
それなのに付きまとったりして……、あたし、邪魔じゃん」
「でも、今まではそうしてたんだろ? それに、本宮だって沢村が傍にいたってイヤな顔しないし、いいんじゃねーの?」
「だって、先輩が誰かを想ってるなんて知らなかったから。
誰も好きじゃないんだったら、頑張れば好きになってもらえるかもって思った。
傍にいても、迷惑じゃないって。
でも……、今は違う」
しゅん、とか効果音が聞こえてきそうな顔で言う沢村。
「あたし、本宮先輩が好きじゃん」
「知ってるけど」
「それなのに、誰か他の男の子に『傍にいさせてくださいっ』って泣きつかれたら、正直迷惑だし、困るもん」
「迷惑って……。冷たくねー?」
笑いながら言うと、沢村は「だって」と不貞腐れたような顔をする。