恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*


「だって……、分からなくなっちゃって。

先輩は彩香さんの事、好きなんだよ?

それなのに付きまとったりして……、あたし、邪魔じゃん」

「でも、今まではそうしてたんだろ? それに、本宮だって沢村が傍にいたってイヤな顔しないし、いいんじゃねーの?」

「だって、先輩が誰かを想ってるなんて知らなかったから。

誰も好きじゃないんだったら、頑張れば好きになってもらえるかもって思った。

傍にいても、迷惑じゃないって。

でも……、今は違う」


しゅん、とか効果音が聞こえてきそうな顔で言う沢村。


「あたし、本宮先輩が好きじゃん」

「知ってるけど」

「それなのに、誰か他の男の子に『傍にいさせてくださいっ』って泣きつかれたら、正直迷惑だし、困るもん」

「迷惑って……。冷たくねー?」


笑いながら言うと、沢村は「だって」と不貞腐れたような顔をする。



< 99 / 448 >

この作品をシェア

pagetop