LastLove
そんなある日、お姉ちゃんが長電話をしている。

ようやく切ったみたいだ。


「誰と話してたの〜?」


「日浦さん!なんか今家の前に来てるみたいだから行って来る!」


「えぇ!わかった!」


そういって出ていった姉の背中を見送りながら、あたしは呑気に眠りについた。

次の日

「昨日日浦さん何だったの〜?」

何気なく聞いてみると、お姉ちゃんは少し言い辛そうに話しだした。

「日浦さんちね、お父さんがすごく厳しいんだって。暴力振るったり、竹刀で殴ったりもするんだって。」


「えぇ!?」

それって虐待ってやつ??


「だから昨日は弟と家に逃げてきたんだって。」


「そぉだったんだ…」


あたしんちは、平和そのものだ。
近くに変わった家庭環境の子もいないから、そんな話は聞いたことがなかった。

「でも」

と言って姉がニヤリとした。

「弟くん、見たよ」


「あぁ、そっか!」


そういえば、弟ってあたしの未来の同級生か!


「弟くんかっこよかったよ、ありゃー確かにモテるな!」


ふーん…モテるんだ。
まぁあたしには関係ないことだろうけど。


「日浦鷹臣くんね。ちゃんと中学校で見つけてね♪」

と言って姉が笑った。
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