君が隣にいる意味を教えて


きっとあのヘタレ野郎はこんなうっとりするようなキスなんてできないだろう。


吸いつくような唇に絡め合う舌。


やがて激しくなっていく。


この人とのキスが一番好きだ。


ふと胸元のあたりに何かが動く気配がした。


その刹那、私の胸を触ろうとした彼の手を振り払った。


「いや―っ!!」


彼から一歩離れて怯えるような眼で彼をにらんだ。


やっぱり彼も…。



「ごめんね、つい」


彼は参ったなぁと頭をかいていつもの気さくな笑顔を見せる。

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