君が隣にいる意味を教えて
「てか高校時代最後の文化祭なんだから
抜け出さないで終わりまでちゃんといなさいよ」
「いいよ、閉会式なんて面倒くさい。
打ち上げにも行く気ないし。
私が井上さんに会っているうちにあんたらはラブラブしてなさいよ」
そう言うと、二人は顔を赤らめる。
なんてウブなんだ。
何ヶ月も交際が続いている今、幸せそうな千尋を見て羨ましく思う。
一人の相手に本気になれるなんて…。
「こんにちはー!」
マイクを通した声と爆音のような楽器の音が学校の広場に響き渡る。
「うるさ!」
私は下打ちと共に悪態をつく。