君が隣にいる意味を教えて
全く違うんだ。
今までのものと。
全く別物なのかもしれない。
逆に今が本物なのかもしれない。
ハロウィーンである今日はショッピングモールに
可愛らしいお菓子の袋が置いてある。
私はその一つを手にしてレジへ会計を済ませた。
「誰かにあげるの?」
「はい」
尋ねる彼の目の前にお菓子の入った紙袋を差し出した。
オレンジの背景に黒のシルエットが描いてある小さな紙袋に
つまったお菓子。(中はたぶんクッキー)
「俺に?」
「うん」
私はぶっきらぼうにうなずく。
私、笑ってない。
つんとした顔で言ってる。
緊張してるから仕方ない。
だけど、つんとしてたら可愛くないじゃん。
ダメじゃん、私。
空回り。
「ありがとう」
彼は素直に受け取った。