先生のバイク

長い間、沈黙が続いた。

気まずくて、帰ろうと思ったら、先生が突然、口を開いた。


「お前、最近元気ないじゃん。どうかした?」





「な・・・なんで??」

「いや、なんとなく。」


また沈黙が続く。


「お前、俺のこと、嫌い??」

「きっ、嫌いじゃない!!!」

「だってお前、俺のこと拒否るじゃん?」

「そっ・・・そうですか・・・??」

だって、好きだったんだもん!!
 
「俺と話す時、目も合わさないし、笑わないし・・・。」

「あっ・・・、ごめんなさい・・・。」

「先生は悲しいぞっ!!」

気づいてたんだぁ・・・。
 まぁ、あんなに拒否ってたら、気づくかもしれないけど・・・

「急にじゃん。俺、お前になんかした??」

「・・・いや、なにもないです・・・・・。」



 先生は、何も悪くないんです・・・。
私が、勝手に好きになって、
勝手に諦めて、勝手に拒否した。


ただそれだけです。






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