先生のバイク

「悪ぃっ!!俺が変なこと聞いた!!
 なんかお詫びするよ!何がいい??」

「えっ・・・。」


お詫びって何?
ジュースおごってくれるとか?

ってかそれより・・・



「送ってください!!」

「はっ??」

「ウチの家まで・・・。」

辺りはもう、真っ暗だ。
今日は一人でお留守番だし、正直いって、めちゃ怖い。

「そんなこと?」

「だって・・・、先生が変なこと聞くせいで、帰るの遅くなっちゃったんだよ!」


先生・・・嫌がってる??

でも、このまま帰るのは、さすがに怖い。

家からここまで、500mぐらいある。
しかも、人通りも少ない。

「ははっ、そんなことかぁ~!」

「??」

予想外の答えが出てきて驚いた。

「中村のことだから、なんか高いもん買えって言うかと思った!
 そうだよな・・・、こんな暗い道、怖いよな。送ってやるよ。」

「本当??」

「おうっ!お詫びだし、安いもんよっ!!」

「もう1つお願いしていい??」

「ん??」

「バイク・・・の、後ろ・・・のりたいです・・・。」

めちゃくちゃわがままを言って、後悔した。
 諦めたけど、まだ先生のこと好きなんだもん!!
最後に、バイクの後ろにのって諦めるし。

「・・・」

先生は、なんとなく寂しそうな顔をしていた。
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