車輪の唄
2
「葛西さ-ん!!第三スタジオ、清掃入ってぇ-!!!」
階段の下から、同僚の今岡が叫んでいる。
初めて上総を見て、恋をして、"自制心"で無理矢理上総への恋心を消し去った時から1年の歳月が流れた。
楽器店の仕事は楽しく、店で一番の稼ぎ手になり地元のバンドマンたちと仲良くなれた。
あれから私はバンドを抜けた。
生活は火の車だったし、"梓"は理由が分からない解散をした。
バンドを続ける意味がなくなったんだ。
その日も朝9時に出勤して、いつもと変わらない1日を過ごして…いるはずだったのに。
「第三スタジオ開けるなんて、珍しいですね」
今岡と第三スタジオの床をこすりながら言った。
「今日このスタジオ入るバンド、ただものじゃないんだよ」
今岡は嬉しそうな顔で言った。
「そうなんですか」
今岡の話を聞き出すと長くなるから、適当に切り上げなきゃキリがない。
適当に相槌を打って、流した。
ふと窓の外を見ると、轟々と雪が吹雪いている。
階段の下から、同僚の今岡が叫んでいる。
初めて上総を見て、恋をして、"自制心"で無理矢理上総への恋心を消し去った時から1年の歳月が流れた。
楽器店の仕事は楽しく、店で一番の稼ぎ手になり地元のバンドマンたちと仲良くなれた。
あれから私はバンドを抜けた。
生活は火の車だったし、"梓"は理由が分からない解散をした。
バンドを続ける意味がなくなったんだ。
その日も朝9時に出勤して、いつもと変わらない1日を過ごして…いるはずだったのに。
「第三スタジオ開けるなんて、珍しいですね」
今岡と第三スタジオの床をこすりながら言った。
「今日このスタジオ入るバンド、ただものじゃないんだよ」
今岡は嬉しそうな顔で言った。
「そうなんですか」
今岡の話を聞き出すと長くなるから、適当に切り上げなきゃキリがない。
適当に相槌を打って、流した。
ふと窓の外を見ると、轟々と雪が吹雪いている。