車輪の唄
中学校に上がって、あたしは世間的に言う"不良"になった。


元々気は強い方だったからか、好きな事を好きなように表現していたら、いつの間にか学年を締める存在になっていた。


あたしに逆らえる人なんていなかった。


同級生は勿論、先生でさえも。


あたしはよく知らないが、幼い頃に離婚したという父親に瓜二つらしい。


女子の中でも長身だったし、幼少から腕っ節は強かった。


だから、喧嘩に負けた事はない。


知らず知らずのうちに、あたしは暴走族のメンバ-にもなった。


中学生という時代を終える頃には、暴走族の頭にもなった。


ちょうど中学校を卒業する前、初めて人を好きになった。


隣町の暴走族を締める、頭の男で「晴彦」という奴。


単車で走りに出たとき警察に追われていたあたし達をかばって、警察を撒いてくれた人だった。


顔も悪くなかったし、話してみたら男気のある人で徐々に惹かれて行った。


そしていつか…ドツボにはまってしまったんだ。
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