車輪の唄
中学校を卒業してすぐに、晴彦と付き合った。


毎日が幸せで、ただただ好きだった。


でも…幸せな日々は長く続かなかった。


少しずつ、晴彦の態度が変わり始めた。


金銭問題から発展して、浮気なんて日常茶飯事になった。


好きだったから何も言えなかった。


好きだから、嫌われたくなかった。


晴彦に嫌われることが怖かった…


そして、事件は起きた。


晴彦が、県内一のチ-ムの頭の単車を盗んだんだ。


それがバレて、あたしは売られた。


いつの間にかあたしが単車を盗んだ事になっていて、数十人に袋叩きにされた。


結果、全治二ヶ月の大怪我を負って入院。


それでもあたしの心から晴彦は消えずにいた。


勿論見舞いになんか来なかった。


退院してから、一番最初に向かったのは晴彦の家で。


見てしまった。


晴彦の隣にいる、知らない女の姿。
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