HARUKA -衝動の果てに-
「言っただろう、僕は君を買ってるんだ」
「でも・・・あたしには買い被られるような要素があるとは思えません。まだ素人だし、歌だってもっと磨きたいです」
「まだ10日ある。もともと素質があるんだからすぐライブなんてできるさ」
「それに」と、卯方は付け足した。
「ファミレスでの時。どうだった?楽しくなかった?」
・・・卑怯な人だ、と思った。
やはり、この男に油断できない。
卯方 蓮治はあたしを買っている。
評価してくれる。
客観的な目で。
商売者として―――