HARUKA -衝動の果てに-
「雨宮さん、橘内さんと何かあった?」
「え」
それを聞きます?
平山くんが原因なのに?
「二人して様子がおかしいし・・・。喧嘩とか、した?考えられないけど」
最後の台詞はフォローなのか、小さな声で言った。
「言いたくなかったら言わなくていいんだけど・・・。仲いい二人を見て、少し羨ましかったから」
「羨ましい?」
「僕、あの件から男にも避けられててさ。友達いない状態なんだよね。・・・雨宮さん、噂の前の僕知ってる?」
知ってるも何も・・・好きだったんだからいつも見てたよ。
こくっと頷くと平山くんは苦笑した。
「今の僕と結び付けられる?」
うーん・・・、本音を言うと、平山くんはかっこよくて、勉強もスポーツもできて人気者だったから・・・。
皆が自然と周りに集まってたって感じ?
避けられるなんて思いもしなかった。