HARUKA -衝動の果てに-
ファン第三号
あたしが席へ戻ると、いつの間にか大きなケーキがテーブルの上に置いてあった。


「なに、これ?」


真ん中にのっているチョコのプレートには、“橘内悠・初ライブおめでとう☆”の文字。


「お店に人にね、作ってもらったの!」

「せっかくなんだから、祝った方がいいかなと思ってさ!」

「さ、座って!今日はわたしと平山くんのおごり。どんどん食べてねっ」

「あ、ありがとう・・・」


それにしても、このデカさはハンパない。

軽く直径40cm超えてるんだけど。


三人で分けようってことでナイフでケーキを三等分していると、「あの・・・」と声をかけられた。


振り向くと、声の主はあたし達と同じくらいの年の、ポニーテールの女の子だった。


「あの、私、橘内さんのファンになって・・・。こ、これっ!」


その子は両腕でかかえるのがいっぱいいっぱいの、大きな花束をくれた。


「また、ライブやってくださいねっ!」


それだけ言って、去って行った。

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