HARUKA -衝動の果てに-

*霧羽side*




小さな木でできた舞台だけど、悠ちゃんがそこにいるだけで輝いた場所に見えた。

赤い髪を揺らしてギターをテンポ良く弾き、それに歌をのせて・・・



悠ちゃんのステージは、芸能人・・・いや、芸能人を超えるくらい素晴らしかったと思う。



だって、泣きそうになっちゃったもの。




“よく考えてみて

世界には69億人の人がいる

君を好きという人がいないはずないだろう”




私は弱虫で、泣き虫で、いつも人の評価に怯えている。


ずっとそう。

友達と接する時だって、相手の顔色をうかがって、機嫌が悪くならないように努めてる私がいた・・・。


でも、何か、救われた気がする。




悠ちゃんは、悩む人の心を救う歌姫だね。





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