HARUKA -衝動の果てに-
――キーンコーンカーンコーン・・・
朝礼が終わり、あたしは平山の席に近づいた。
「平山」
「わっ、橘内さん?」
そんなに驚くかなぁ。
「あたしが金曜オーデ受けたの知ってるよね?」
「うん、知ってるけど」
「実はそこの事務所からスタッフ募集の宣伝してきてくれって言われてるんだよね。あたしが受かったら同期ってことになる」
「それで、僕が?」
「平山体力あるし、良いかなと思って。バイトやってなかったら、どう?」
平山は「ちょっと待って」と考えた。
・・・その時見たんだけど、平山ってほんとに美形。
男なのに大きな目、長い睫毛、でもそれを中和するかのようなシュッとのびた鼻。口・・・。
しかも性格も悪くない(噂もデマだし)。
これじゃ霧羽が惚れるのも無理ないし、芸能人にだってなれそうだ。