HARUKA -衝動の果てに-



「橘内さんは自分の良いところを分かってないよ。僕は橘内さんの夢を一生懸命追いかけてるところや、まっすぐな所が好きなんだ。そして、羨ましい」

「羨ましい?」

「僕にはないからね。何かをするときにいつも悩んで、行動するまでに時間がかかるんだ」

「あたしも行動派じゃないと思うけど」

「でも結果的には夢への道を歩いてるんだ。赤髪を染め直さない芯の強いところも憧れる」

「・・・やっぱり、ファンだよ・・・」

「違う!じゃなきゃ、橘内さんと一緒にいたいなんて、思わない」

「え?」

「キスしたいとも、思わない・・・」




平山はそう言って、あたしに顔を近づけてきた。


そして―――




唇が重なった。








< 94 / 116 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop