HARUKA -衝動の果てに-
「橘内さんは自分の良いところを分かってないよ。僕は橘内さんの夢を一生懸命追いかけてるところや、まっすぐな所が好きなんだ。そして、羨ましい」
「羨ましい?」
「僕にはないからね。何かをするときにいつも悩んで、行動するまでに時間がかかるんだ」
「あたしも行動派じゃないと思うけど」
「でも結果的には夢への道を歩いてるんだ。赤髪を染め直さない芯の強いところも憧れる」
「・・・やっぱり、ファンだよ・・・」
「違う!じゃなきゃ、橘内さんと一緒にいたいなんて、思わない」
「え?」
「キスしたいとも、思わない・・・」
平山はそう言って、あたしに顔を近づけてきた。
そして―――
唇が重なった。