妬いてほしいの
「で?なんかないの?」
「カラオケは?
わたし今歌いたい気分ー」
最近大好きな歌手の新曲出たし!
聞いておいてカラオケ行く気満々なわたし。
もう柚稀の手を引っ張って歩いてるけど…。
「よし、行くか!」
「うんっ」
だけど、いきなり柚稀の動きがピシッと止まった。
「え、柚稀?」
「ごめん、カラオケはやめよう」
「え!行こうよ!
ていうかさっきまで乗り気だったじゃん」
「……ごめん」
そう謝る柚稀はしゅんとした子犬みたいに見える。
垂れてる耳までみえるくらいに。
…ひ、卑怯だ。
そんな顔されたら許すしかないじゃないか。