妬いてほしいの
あれから、絶叫系制覇をし終わって、
今は、途中で買ったフランクフルトを食べながら歩いている。
「柚稀、次なにのるの?」
「んー。…観覧車は?」
「じゃあ、観覧車乗ったら帰る?」
絶叫系制覇しちゃったし、と言うわたしに
柚稀はそーだな、と笑ってわたしの手を握る。
「そろそろ…かな」
「え?」
「由加、ごめんな」
その声と同時に柚稀の顔がどんどん近付いてくる。
「え、ちょっ、柚稀っ!!」
まさかの柚稀の行動に柚稀を突っぱねようとしたわたし。
だけど、びくともしない。
「由加、ヤキモチ妬かせたいんだろ?」
「…っ」
そうだけど、キスはまだ直哉とも…
わたしが思考を巡らせている間にも、柚稀の顔が近付いて数センチくらいしか距離がない。
――いやっ!!