妬いてほしいの
多分。
直哉はわたしが何回も柚稀の家に行ってるって会話聞いてたんだ。
なんだ。
普通にヤキモチ妬きじゃん。
「うん、行かない」
「…ん」
だけど、
ヤキモチ妬いてくれたのが嬉しくて頬の筋肉が緩む。
「へへっ」
「…何笑ってんの」
「これからもヤキモチ妬いてねっ」
「……もう勘弁…」
ホントに勘弁して。って感じの顔で呟くと、わたしの手を握る。
それも嬉しくて、
今まで悩んでたのが吹っ飛ぶ。
ねえ…
ヤキモチ妬いてほしいのは直哉だけだから。
だから、これからもヤキモチ妬いてね
取り合えず、柚稀には感謝……かな。
――【完】――
(ねえねえっ)
(……何)
(大好きっ)
(……俺も。)