妬いてほしいの
「でも津田みたいなヤツとよく付き合ってられるなー」
あんな不器用すぎるヤツ。と、柚稀。
「だって……悔しいけど、大好きなんだもんっ」
「まあ、そうだろうな」
でも、きっと……いや、絶対わたしの方が直哉の事好きなんだ。
その言葉を口からだしたら、自分が落ち込んでしまいだから飲み込んだ。
というか、わたしの事ちょっとでも『好き』って思ってくれてるのかなぁ?
『彼女』とすら思ってくれてないかも……。
そう考えたらぐっと目頭が熱くなる。
「えっ、ちょっ、なんで泣きそうになってるんだよ!」
わたしを見るなりぎょっとして聞いてくる柚稀。
「ほんとに直哉、わたしの事好きじゃないかもしれない……」
そう柚稀にぽつりと呟やいた。