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「あー!!今日も私の方が遅かった…」

「いつものことだろ。」

「ほんとに何時から待ってるの？」

「何時からだろうな。」

「えー!!だって毎回…「ほら、」


私の言葉を抑えるようにぽんと頭を撫でて、彼は自分の手を差し出す。

私はなにも言えなくなって、自分よりも大きな手をぎゅっと握って歩き出した。

いつもそう。

どんなに早く待ち合わせ場所に向かっても必ず彼はそこにいて待っていてくれる。

それで、何か言いたげな私を見て見透かしたようにやわらかく笑う。

言いたいことも、考えてることも全部わかってるって笑顔だけで私に言うんだ。

１つしか変わらないはずなのに、彼の方がずいぶん大人で。

なんだか対等じゃないようで、ちょっと悔しい。