薬指のしあわせ
向日葵
はじめて
この大地を踏みしめた日のことを
覚えているかい
はじめて
誰かの手を握る幸せを知った日のことを
覚えているかい
おもえば
そうだ
きみは いつも
そのまなこを見開いて
誰かが知らず殺してしまう小さな虫でさえ
宝物のようにいつくしんでいた
向日葵
きみは 知っているかい
はじめて怒った日を
はじめて笑った日を
この世界の空気をはじめて吸った時
声を張り上げて泣いたことを