夜の街、蝶が舞う
「だから…違う」
私は
彼氏にさえ、
ウソをつく。
「もういいよ。
俺、見ちゃったんだ」
「え…」
皆瀬くんの顔が
こわくなった。
いつもと…違う
「ひ…人違…いじゃ、ない!?」
声が震えてて、
ウソがつけない自分。
「オマエの家がどういう事情であろーが、
最低なことしてるぞ?
もう知らね」
皆瀬くんは
ため息をつき、
屋上から出て行こうとする。
呼び止めたくても
声がでない。
近寄りたくても
足が動かない…