夜の街、蝶が舞う





-プルル…プルル…


呼び鈴が心に強く響く。


ドアを叩く音も聞こえる。



-お願い…
出て…




「…はい」


ケータイから
低い声が聞こえた。



「み、皆瀬くんっ…」


手が震えていて、
ケータイがちゃんと持てない…





「なに?」


私は深呼吸して

言う。



「今…今!ホテル・SKYの605号室にいるの…


早く来て…



あたし襲われる…っ…」



皆瀬くんは黙った。





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