夜の街、蝶が舞う



目の前が

涙でぼやけて


皆瀬くんの顔が見えない。




「他の男とヤってたのは
寂しかった…から?


俺がずっと傍にいれなかったから?」



私は

皆瀬くんの手に
手をのばし、


からませた。





"ずっと、寂しかった"









サイン。





皆瀬くんはそれに
気づいて

私を抱きしめてくれた。





「もう大丈夫だから」



優しく背中を撫でる。



まるで

子供を撫でるように。

壊れ物を扱うように。








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