うさのさんの動物観察日記
うさのを虜にしてやまないこのハムスター。
小さい頃に一度飼ったことがあるのだが
「死んだとき、悲しすぎる」
という理由でしばらく飼っていなかった。
大きくなり、気持ちの整理の仕方が分かるようになってからは、ずっと飼いたいと思っていたのだが、アレルギー持ちのうさの母の反対に遭い、それも適わなかった。
それがあるとき、我が家に突然ハムスターがやってくる。
持ってきたのは、うさのの友達のさっちゃん。
さっちゃんの家は、犬とネコ多数、それにヤギとウサギを飼っているという、うさのから見たら夢のムツゴロウ王国のような家だった。
そんな家なので、
「あそこんちなら飼ってくれるべ」
と思われ、周りから飼えなくなった動物が集まってくる。
その中に、ハムスターがいた。
さっちゃんちはムツゴロウ王国だが、ネコがゴロゴロいる家でハムスターを飼ったら、お互いにとって不憫でならない。
ネコにとっては、常に目の前に「おいしそうな食べ物」がチョロチョロしている状態で、欲求不満極まりない。
ハムスターにとっては、人食いザメがうようよしている海中に、鉄のカゴごと下ろされた芸人みたいな気分だろう。
優しいさっちゃんは新しい飼い主を探すことにしたのだが、そのさっちゃんの前に
「ウヒャー!ピギー!ハムちゃんかわいい!ホゲー」
と奇声を発し白目をむきながらハムスターと戯れる、うさのがいた。
・・・探すまでもなかった。
と、さっちゃんが思ったのは、言うまでもない。
しかし家には、
「動物反対!」とプラカードを掲げ反対する、うさの母がいる。
うちでは飼えない・・・とうなだれるうさの。
しかしさっちゃんは賢かった。