うさのさんの動物観察日記
鳴いているのではない。まさに吠えていた。
うさのが近づけば近づくほど、子ネコは口を大きく開いて必死に吠える。
片方の口角からは血が流れていたが、子ネコは吠え続ける。
「おーい、子ネコちゃん。迷子かい?」
「フギャー!」
「怪しい者じゃないですよ~」
「フギャー!フギャー!」
「名前は?おうちは?」
「フギャー!フギャー!フギャー!」
日本語だから通じないのではないか?と思い立ち、
「ハロー、ワターシ日本語ワカリマセーン」
などと外国語(?)を試してみたが、通じない。いや、通じるわけがない。
ここは一つ、ネコ語を・・・
「ニャオゥニャニャニャ♪ニャンニャ~♪」
・・・通りすがりの歩行者が、うさのを避けていった。