うさのさんの動物観察日記

話がずれたが、コバエがさっきから、うるさい。

うさのの脳裏に、赤い殺虫スプレーが浮かんだ。

しかし。

「うるさい」だけでコバエを殺めるのは、倫理的にいってどうなのだろうか。
それでは、すぐに切れる今どきの若者と、大して変わらないのではないだろーか。

こういうときに、ドリトル先生みたいに動物と話せたら、どんなにいいだろうと思ってしまう。

「ねぇねぇコバエさん。今執筆中で一人になりたいの。この窓開けるから、外で自由に飛んできてはいただけません?」

「あ、うさのさんごめんね!どこから外に出ればいいのか分からなかったんだ。窓を開けてくれて、サンキュー!」

なんて平和的な解決手段なのだろう。
うん、この方が絶対に大人だ。

しかし、コバエは人の言葉を理解できない。
うさのも、コバエ語は話せない。
(ポリネシアあたりに、こんな言語を話す部族が実在しそうだ)

しかしやはり、「うるさい」だけで虫を殺すのは、どうかと思った。

悩んだうさのは、愛のあふれる強硬手段に出た。





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