うさのさんの動物観察日記

そういうわけで、飼い主が見つかるまでの間、子ネコはさっちゃん家で預かってもらえることになった。

「うちの子をよろしくお願いいたしますです、さっちゃん様!ははぁ~」

うさのは、人にモノを頼むのが大の苦手だ。
それだけでアホみたいにへり下り、頼まずに自分でやるより何倍も頭と気を使ってしまう。

さ、さっちゃんは「預かってくれる」と言ったけど・・・

あのカツオ節、イオンで500円位で売ってるやつだ・・・

これからも毎日、このネコにそんな高級カツオ節を買ってくれたら、さっちゃん家が破産してしまう・・・

それにこのネコ、鳴きやまなかったらどうなるんだ・・・

さっちゃん家が鳴き声で眠れず、全員ノイローゼとか・・・

あぁぁああ゛、うさのが頼んだせいだ!どうしよう!

そ、そうだ!だから一日も早く新しい飼い主さんを見つけなければ!!

でもこの広い空の下、どうやって探せばいいんだ・・・

見つからなかったらどうしよう!

さっちゃん家が破産して全員ノイローゼになったらどうするんだぁぁああ!!


・・・と、うさのが目を血走らせて悩んでいる傍で、さっちゃんはさっさとネコちゃんを連れて帰っていった。

その頼もしい後ろ姿に、うさのは誓った。

ネコちゃんの飼い主は、絶対に見つける!
それまでどうか、持ちこたえてくれ!


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