座敷わらしの恋
「結構ちゃんと見えるんだよね、ここ」


そう言いながら紫は木をよじ登ろうとするが、おいおいお前浴衣じゃねーか。


「ちょい待て待て。肩車してやるから」


「あ、ほんと? ありがと」


肩車してやると、そこからひょいひょいと器用に木に登る紫。

身軽というか、猿みたいというか。

そんなこと口にしたらケータイは即逆パカだろうな。
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