ノラネコに首輪




好き、好き、好き
好きでいっぱい。

シュウのことが好き。



「・・・いってくるね。シュウ」

「うん、いってらっしゃい」



バックを持ってドアを開けて外に出る。
12月だからかな、風が冷たい。

視界が眩しくてぼやけてて、なんかやだ。



「・・・・・・どこにも行かないでね・・・」



小さな声でつぶやく私。
直接じゃないし、シュウ本人には言ってないもんね。

これくらいならいいでしょう?

階段を降りるヒールの音が耳にも胸にも頭にも響いて
痛いよ、・・・シュウ。

でも十分、私も痛いなぁ・・・、ウザイ女だよね。





< 7 / 21 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop