ミ カ ン が あ つ ま る
退屈な授業。
教科書をなぞるだけ。

「はぁ」

思わずため息が出てしまう。
グラウンドではハンドボールをやっている。
窓際の一番後ろ。
一番好きな席。
ハンドボールのがましだよなぁ。
なんて思いつつ、ぎこちないゲームを眺める。


バシンッ


「いったぃ…」
いきなりの衝撃に思わず声が出た。

振り返ると担任。
…そっか。担任の授業だったんだ。
面倒臭いから絡みたくないのが本心。
何もなかったように窓をむく。


「おい、河西。」


不意に呼ばれる名字。

「なんですか、センセイ?」

わざとおどけてみせる。目線は担任の薄い髪の毛へ。

「そんなに俺の授業が退屈か?」

「…はぁ」

言わなくてもわかるでしょ。と本音はかくして。


「すみません。」


素直に謝罪。
ゴタゴタになるのは勘弁してほしい。

「きをつけろ」

と一言呟き教卓に戻る薄い髪の毛に呟く。





「それだけなら声かけるなよ」


「…プッ」



隣からの笑い声に顔を向ける。不快だ。
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