君想論 〜2人のサヤカ〜


オレはクスクスと淡い笑みを浮かべるマイプリンセス・[椎名]ちゃんに目が釘付けだ。

何故なら本日の椎名ちゃんは先日、廊下で対話した時とは違い、制服スタイルなのである。

本校指定のブレザー&スカートに加え、男の欲情を無駄に駆り立てるニーソックス、可愛らしいデコレーションの施された通学鞄……


まさに、今をゆく“JK(女子高生)”そのものである。


決して『冗談キツい』の略ではない。


「今朝はお一人での登校ですか??」

「オールシーズンでロンリーだ」

「そうですか」クスクス


……どういった意味を込めた笑みなのかは考えないでおこう。

桐野くん、涙が出ちゃう。


(んっ……??)


ちょっと待て。

さっき言ったが、桐野くんは基本的に登校時は一人っきり。

『桐っきり』状態だ。

理由は単純、そもそも登校ルートが誰とも被っていない=そもそも誰とも遭遇しないからである。


冷静に考えると、後ろから人に話しかけられるのは不自然だ。

何故に今日限って……??


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